火輪 (第1巻) (白泉社文庫)
「謎の出自を持つ性別不明の半神ラン・リーアン。養い親の白玲(パイリン)のため、竜王剣を探しに人界へ降り立った彼の前に、天界・人界の戦乱の幕が切って落とされる。架空の中国を舞台にした異世界ファンタジー。」
大好きな中華系ファンタジー漫画です。
数十年前に連載されていた古い作品ですが、今でも遜色なく楽しめます。『封神演義』を元にしているみたいなので、古代中国の伝承・伝説、西王母をはじめとした神仙ものが好きな方におすすめ。
半人半竜の琅亮(ラン・リーアン)が、東海青竜王・敖広に託された竜王剣を探しに人界へ降りたところ、華王朝のクーデーターに巻き込まれるというストーリー。そこから徐々に彼の出自が明らかになっていき、天界・人界を巻き込んだ未曾有の大事件に発展していきます。
果たして、天界を治めるのはリーアンなのかカイなのか、それとも・・・!?
古代中国の戦術や役職、土地名など、なじみのないことばや説明が多く難解な部分もありますが、そこらへんはななめ読みしても大丈夫♪単純に楽しみながら読むこともできます。それぞれのキャラクターがきちんとかき分けられているので、ストーリーを読み誤ることも少ないはず。
若干、物語や絵柄にクセがあるので受け付けない人もいると思いますが、中華系ファンタジーに興味あるなら見ておいて損はないです。
このストーリーの根幹はリーアンの成長譚です。半人・半竜の中途半端な存在だった(自分ではそう思っている)リーアンが、玄武の力を手に入れ、天帝に匹敵する力を持つことを知り、周りから期待やプレッシャーをかけられていきます。
しかし中身は未熟(ガキ)なままのリーアンなので、「そんなん知らない。パイリンに会いたい!」と逃げ回る・・・(笑)。
ところが逃げた先で実の父親に出会い、生涯の伴侶とめぐりあい、自分の星宿を受け入れざるをえなくなっていきます。すべては母が見出した星のさだめだったんでしょうか。
そんなこんなで、まぁ、最終的には一見落着になるわけですが、ちょっと言いたいことがある。
このストーリーの(というか、未曾有の危機の)元凶って、
竜王の横恋慕ですよね。パイリンと叔父がそのまま結婚してカイを育ててれば、ヘイシャオも天宮を追われることなく平和に過ごせ、天界も人界もなにごともなかったはず(竜王が天帝になってればよかったのだ)。
なんか結局ヘイシャオ1人が悪者になってしまったけど、
一番悪いのは善人面(被害者面)している竜王だろー?と、読後に思いました。
人界・天界を巻き込んで、相当数の人間を殺したヘイシャオも悪いんだけど、パイリンをあきらめきれず、その子カイまで飼い殺しに近い状態に追い込んだ竜王。
今度こそちゃんと、
カイと2人で天を治めろよ!って思いました。